葉月(8月)

八朔って何?

 八朔とは、旧暦8月1日の行事です。この日は徳川家康が江戸入府した日であるといい、幕府では正月とともに特に重んじていました。八朔行事は古くからあり、中世の頃に武家方や公家衆の間でも田の実りの節供を祝い、そして贈り物をする習俗がはじまりました。もとは神への供物でありましたが、封建社会では主従間の贈答にかわり、さらに民間に逆に流行した。また近畿一帯では八朔休みといい、この日から昼寝をやめ、夜なべ仕事が始まりました。江戸時代以後奉公人たちがつらい思いで休日を迎えた〈八朔の泣き豆〉〈八朔の苦餅〉など、この日の食物をよんでいたことからも伺われます。

葉月のお菓子…竹入り水羊羹 琥珀糖菓子

盂蘭盆会(盆)とは?

 孟蘭盆会から来た言葉で、お盆は仏教の説話から生れたものです。釈迦の弟子・目蓮が、死んだ母が餓鬼道(常に飢渇に苦しむ亡者)に堕ちたのを助けてほしいと願い供養したのが7月15日といわれ、今では亡くなった人の霊を迎える行事になっています。昔から外に働きに出ている者や、嫁入りしている者も生家に帰り、家族そろって祖先の霊をまつるのが習慣です。お盆の準備は、京都では、一般的に8月13日からですが、その前に御精霊迎えの行事が今も続いています。

【盆(盆花迎)】
 8月8日から3日間、平安京以来葬場として有名な洛東の鳥辺野に近い六道辻の珍皇寺(六道さん)に盆市が立ち、人々はここに参って、鍾楼の六道鐘をつきます。この鐘の音は冥土にまで聞えるといい、この世へ帰ってくる精霊の道案内の役を果しているといいます。また盆市では高野槙蓮などの盆花や新盆を迎える人のための白木の膳が売られます。同時に五条坂では陶器市が立ち、小さい真白な陶器が売りに出されます。これにひとつまみのご飯、汁、野菜の煮物、漬物などを入れて盆棚飾りをする。六波羅密寺では迎え火法要の万灯会が催され、付近は群参で賑わいます。西陣あたりでは千本のえんま堂が六道さんと同じ役目をしていて、大文字の翌日17には大施餓鬼法要が営まれます。

12日…お迎えだんご・蓮菓子
13日…お迎えだんご・白餅・おはぎ・蓮菓子
14日…白餅・おはぎ
15日…白餅・白蒸・お送りたんご
16日…お送りたんご・白餅

 地蔵盆について

 8月23日〜24日に延命地蔵尊をまつる子供たちのお盆です。幼くしてこの世をさった子供たちが賽の河原に集まって、父母をしのんで河原に石を積んでいると、地獄の鬼たちがやってきてそれをこわし迫害を加えます。この哀れな子供たちを救ってくれたのが地蔵尊で、地蔵は子供たちの守り本尊とされています。

 各町内ごとに地蔵をまつって、赤い提灯をかけならぺ、子供中心の行事を行います。これはかつて幼児の死亡率が高かったころ、子供の延命を願ってはじまったものです。

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