執筆者: 木ノ下 千栄(きのした ちえ)
◆由来について

もともとは「祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)」といい、今からおよそ1100年前、清和天皇の時代に京都で疫病が流行し、その病魔の退散を祇園社(現在の八坂神社)に祈願し、66本の鉾を作って祈願したのが始まりです。

京都の三大祭(葵祭・祇園祭・時代祭)の中でもっともにぎやかで、京都といえば祇園祭を思い浮かべる人もいらっしゃるのでは?東京の「神田祭」、大阪の「天神祭」と並んで、日本の三大祭としても有名です。

(下写真:吉符入)
祇園祭は宵々山・宵山・山鉾巡行の16日〜17日だけをイメージしがちですが、実は7月1日の吉符入に始まり、10日〜13日の縄がらみ、16日の鷺舞、24日の花傘巡行など約1ヶ月にわたって様々な行事が続きます。

鉾建てが終わる13日頃〜16日の宵山まで、コンチキチン・・・の「祇園ばやし」が鉾の上から流れてきます。その心地よい音色に思わずウットリ・・・。 また、15日、16日は別名「屏風祭」と呼ばれ、祇園祭が行われる四条周辺の旧家では秘蔵の屏風などが飾られ、道行く人たちに公開されています。

(左写真:鉾建て)

◆主な山鉾とその見所

「長刀鉾(なぎなたほこ)」
  鉾頭には疫病邪悪をはらう大長刀(この大長刀はレプリカで本物は宝物として保存)を掲げ、くじ取らずで必ず巡行の先頭を約束されています。テレビでよく映る五位の位を授かった稚児が乗るのもこの鉾で、巡行当日、見せ場のひとつである「しめ縄切」を行います。

「函谷鉾(かんこぼこ)」
  中国の戦国時代に斉の孟嘗君(もうしょうくん)が函谷関で、鶏の鳴き声を まね関門を開かせ、難をのがれた故事に基づいています。鉾頭には山中の闇をあらわす三日月と山形、孟嘗君と雌雄の鶏の人形が掲げてあります。また前掛のタペストリーはゴブラン織りで、16世紀にベルギーで製作されました(重要文化財)。これは羊毛を使って織った貴重な毛綴で、『旧約聖書』創世記にあるアブラハムの子・イサクの嫁選びの場面が描かれています。

「鶏鉾(にわとりほこ)」
  中国の尭(ぎょう)の時代、天下泰平なので訴訟のときに打っていたとされる太鼓に苔がむし、鶏が巣を作ったという故事に由来しています。鉾頭の三角形の中の円盤は鶏の卵を表しています。

「放下鉾(ほうかほこ)」
  鉾頭の飾りは「日」「月」「星」の光が下界を照らす形を表しています。巡行中、三光丸と命名された人形が、からくりの稚児舞を見せます。

「芦刈山(あしかりやま)」
  人形は芦を刈る老人の姿で、謡曲「芦刈」にちなんだものです。この人形の衣装の小袖は室町時代の作で山鉾中最古のものと言われています(重要文化財)。

「鯉山(こいやま)」
  「登竜門」でおなじみの故事、竜門の滝を登った鯉は、竜に化すという説話に由来し、勇ましく滝登りする鯉の姿を表しています。山の上の今にも泳ぎだしそうな鯉は、左甚五郎の作とされ、前掛、胴掛、水引、見送りなどのベルギー製タペストリーは重要文化財に指定されています。

◆ちまきなどを買うとのぼれる鉾 (※祇園祭のちまきは茅の輪が変化したもので、食べるものではありません。家の軒につるして、厄除けにして下さいね。)

「月鉾(つきほこ)」
  鉾頭には三日月を掲げ、真木の中ほどに月読命(つきよみのみこと)の像を配しています。丸山応挙や左甚五郎の作といわれる内部の華麗な装飾が見事です。

(下写真:巡行前の鉾)

「菊水鉾(きくすいほこ)」
町内に古くからある井戸に由来しています。稚児人形は菊慈童(きくじどう)といい、中国南陽の菊水の水を飲んで700歳まで生きたと伝えられています。鉾頭には天向きの十六菊を飾り、鉾の屋根は特徴ある唐破風造りになっています。

◆辻回し
  山鉾巡行の最大の見所、「辻回し」は、道に割竹を敷いて水をまき、その上を一気に数トンもある鉾をすべらせて方向転換させます。その状況といったらダイナミックとしかいいようがありません!

◆場所・日時(※各行事の日程は、天候等の理由で変更になる場合があります。)
各山鉾町・八坂神社)/7月1日〜31日
(15日 宵々山、 16日 宵山、17日 山鉾巡行)
問い合わせ:京都市観光協会(752-0227)

(右写真:船鉾)

◆交通
・京阪「四条駅」降りて徒歩5分。
・阪急「四条駅」すぐ。
・地下鉄「四条駅」すぐ。

このページの作成にあたり、「あすの函谷鉾をつくる会」発行書籍『祇園祭山鉾 函谷鉾20号』から画像を数点引用させて頂きました。
ご協力頂いた「あすの函谷鉾をつくる会」のホームページはこちらからご覧いただけます。

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