執筆者: 木ノ下 千栄(きのした ちえ) | ||||||||
◆生き残った五つの送り火
京都の夏の風物詩といえば祇園祭と五山の送り火です。8月16日の夜、京の三方の山々に点火される送り火は、漆黒の夜空にくっきりと浮かび上がり、見る者を幻想的な世界へといざなってくれます。 ◆「大文字焼き」の間違い――送り火の意味
「大文字焼き」と呼ぶ人がいますが、これは間違い。五山の送り火は精霊送りのひとつで、8月7日〜10日頃にお迎えしたお精霊さん(おしょらいさん・・・ご先祖様の精霊のこと)を再び冥府に送るという盂蘭盆会(うらぼんえ)の行事の一形態です。京ではこの五山の送り火によって、盆の行事が終わります。したがって、山焼きとは一線を画するもので、京都人は決して「五山の送り火」を「大文字焼き」とは申しません。 ◆文字の謎アレコレ――「妙」「法」と船形の字
「妙」「法」の二字が同時に書かれたものでないことをご存知でしょうか? よーく、文字を見てください。左に「妙」、右に「法」の文字がありますね。昔は右読みですから、昔に二字が同時に作られたならば、山には「法」「妙」と浮かび上がらなければなりません。
船形については、船形は精霊を乗せて送るといわれ、俗に「精霊船」ともよばれています。起源は西方寺開祖の慈覚大師円仁が承和14年(847年)に唐の留学から帰る途中暴風雨にあい、「南無阿弥陀仏」を唱えたところ無事帰国できたことから、その船をかたどったとの俗説があります。 ◆場所・日時(※各行事の日程は、天候等の理由で変更になる場合があります。) ・絶好の鑑賞ポイントはここ! ・送り火の点火時間情報 |
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