京都では年に2度、粽(ちまき)を拝見いたします。
一つはご存じ5月5日・端午の節句の粽(ちまき)です。
もう一つは、7月1日から1ヶ月間の長〜い祇園祭の祇園粽(ぎおんちまき)です。
祇園粽は、四条・八坂神社が出している厄除け粽(ちまき)ですが、中身も笹のみで巻かれているため食べられません、
また、端午の節句と違い、「蘇民将来之子孫也」という赤い紙が付いているのが特徴です。
これは、八坂神社のご祭神で、ヤマタノオロチ退治でも有名な素戔嗚尊(すさのおのみこと)の伝説に由来します。
『備後国風土記』によると、素戔嗚尊が南海に赴く途中、日が暮れて宿を探していたとき、蘇民将来(そみんしょうらい)の歓待を受け、感激した素戔嗚尊が「後の世に疫病が起こらば、蘇民将来の子孫と言いて腰に茅の輪をつけたる人は免れなん(免れるであろう)」と言い残しました。そしてその後、疫病が起こったとき、素戔嗚尊の言いのこしたとおりに茅の輪をつけた蘇民将来の子孫だけは感染を免れたといいます。
そのため、粽(古くは茅の葉で巻きました)に「蘇民将来之子孫也」(私は蘇民将来の子孫です)と書いて貼ることで、
無病息災と夏の水害の厄から守ってくれるお守りです。
厄除け粽の祇園粽は、祇園祭の宵山の日に授けられ、一年間玄関先に飾ります。
厄除け粽(ちまき)は食べられませんが、「食べられるちまき」をご用意しました。
食べても美味しい甘春堂の謹製・祇園粽、葛製,羊羹製そして黒糖ございます。
ぷるんとした葛粽をこの夏に是非ご賞味ください。
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